世界に1枚の突板|さいたま市H邸新築工事

レポート 2023.10.18

「突板」とは、木をスライスしたもので、建具や家具の面材、フローリングの表材にも使用されます。
最近では印刷の技術が高くなり、安定した品質で色あせの少ない、プリント板も新建材でよく見かけるのですが、個性的な材料としては質感に欠けてしまいます。
今回は珍しい銘木突板ばかりを扱うと巷で有名な 有限会社 山一商店 さんに「世界に1枚の突板」に出会うため川口市の工場にお邪魔しました。

早速、山内社長に見せていただいたのは↓こちら。右が通常の突板厚み0.3㎜の物、左が厚挽きした突板0.7mmの物。約倍の厚みです。
木目に奥行きがあり薄い物より質感が高く感じることが出来ます。不思議なもので表面から見ただけで、厚みを感じることが出来ます。

TAGKENメンバーの経歴を見ていただいたようで、アメリカ大好きの山内社長と意気投合していまい、話が色々と盛り上がってしまいました。その話は端折って、さいたま市H邸新築工事のCGイメージをお伝えして、上階の工場に案内していただきました。

すごい量の突板の束が積んであります!

札には樹種や幅、長さなど記載されています。気に入ったものが在れば我々としては使い続けたいと思うのですが、ここにあるもので最後という珍しい物ばかり。

束になったものでは解りずらいので、合板に張った突板サンプルを見せていただきました。
山内社長が指をさしているものが、ブックマッチという貼り方でミラーで反転したように貼る手法です。この貼り方は偶然、何かの顔に見えたりシルエットに見えたりして偶然に現れる個性が楽しめます。左側の貼り方はランダムに貼ったものです。大き面に貼る際はこちらの方が木目の躍動感が楽しめるかもしれません。

次に出てきたのは、↓こちら。ジャカランダと言われるブラジリアンローズウッド!ワシントン条約で今は輸入は禁止されているものです。昔マーチンのアコースティックギターで憧れの材料だったのを思い出しました。価格はそれなりにしますが、在庫は少量あるそうです。こんな希少な材で家具や建具を作りたい方はお早めに・笑

ハワイに事業パートナーがいるらしく、南国な香り漂う材料も沢山紹介いただきました。
こちらは、「このー木何の木気になる木」で有名なレインツリー(モンキーポット)木の年輪からも、大木であることが感じられます!

↓こちらがマンゴーツリーを日本で腐食させたもの。何とも言えないうねりが力強いです。

↓こちらがバーチ材 日本ではカバ桜と呼ばれるものですが、自然にできたシマシマ模様(カーリー)が綺麗に出ています。

無塗装の状態でしたので、塗装した後の色味が解るように水で湿らせていただきました。カーリーもより綺麗に出てきます。

続いては↓こちら。ゼブラウッドです。シマウマの様に白黒に年輪が入る樹種になります。H邸新築工事で構想している木に近づいてきましたが、今回採用予定の場所には少し柄が細かすぎます。

続いてご紹介いただいたのが、↓こちら。ガムウッドという樹種です。おっ!これかもしれません。こちらはブックマッチ貼り。

そしてこちらがランダム貼り。白っぽく無塗装状態ですが、右側にクリア塗装してある部分で色味の確認をさせていただきました。
こちらを第一候補として、後日お施主様にご了解を頂こうと思います。

↓こんなイメージで階段吹き抜けの壁面に貼り込む予定です。

最後に、↓こちら。ウォールナットのロータリー(年輪に沿う形で挽いたもの)。壁面に使用するのも良いですが、テーブルの天板の突板にいいかもしれません。50枚以上の突板を拝見させていただきましたが、今回はご紹介しきれずすみません。

山内社長の木に対する愛情を伺っていたら、気が付けば夜の9:00近く!今後どのように使用できるかワクワクして帰路につきました。

H邸は現在基礎工事が完了し、コンクリート養生期間です。また進行状況をレポートさせていただきます。