外壁と窓の関係
レポート 2021.06.22
本日は早朝より、職人さん、旭トステムの営業・技術の方に集まって貰い、外壁窯業系サイディングの現場打ち合わせをしました。
以前の記事でご紹介した外壁サイディングシーリングレス工法です。
メーカーの方に部材や施工方法が一目でわかるモックアップの模型までご用意いただきました。
コーナー部分、平面部の継ぎ目の裏側には、雨水の侵入を防ぐため二種類の止水金物が入っています。
平板(長さ3030㎜x高さ455㎜のサイディング)の裏側は、二辺が実(さね)加工された形状をしています。
横幅を切り詰める際は実(さね)加工されていないほうをカットし、面取りをして現場で小口を塗装します。シーリングで納める場合はカット面はコーキングで埋まって
見えなくなる部分なので、その工程は必要ありません。
続いてコーナー材の役物です。
裏側の処理を見ても解るように、留め(ナナメ)カットしたものを突き合わせて90度の角を作り接着しています。
今回の打ち合わせの目的は、出隅の役物のサイズ確認。横目地、縦目地の位置や窓回りの隙間の確認になります。
出隅の部分は既製サイズ(75㎜)だと真ん中に隙間が発生します。約10mm程度開いた隙間にコーキングを打ってジャストサイズなのですが、今回はシーリングレス工法なので
78㎜で特注対応してもらい、中央の隙間を無くしています。継ぎ目の裏には雨水の侵入を抑えるため平場部分と同様の止水金物を裏当てします。
こちらは出隅部分のコーナー材の確認です。写真のように既製サイズだとコーナー材とサッシの間(職人さんの手の右側)に50㎜程の隙間が出てしまいます。
通常であれば、この部分に細くカットした材料を釘打ちで止めるのですが、コーナー材を50㎜長く制作することで継ぎ目なく綺麗に収めることが出来ます。
続いて横目地、縦目地の確認です。CGで目地の位置をパースにより表現したものです。
今回採用したサイディングは旭トステムのSHiZENというシリーズの外壁材です。フラットな面の中に自然なムラのある表情を見せてくれる素材です。
サイディングの二枚分の高さでサッシのラインが整うようにサッシをオーダーをし、躯体の状態の時にサイディングの働き幅を考えた高さに設定しています。
縦目地においてもサッシの両サイドに通して設けることですっきりとした印象になるように考慮しています。
この納まりについては、サッシや躯体の窓台や土台水切りの高さが関わってくることなので、シーリングレス工法の施工マニュアルには記載されておりません。
足場で多少見ずらいですが、丁度サイディング2枚分でサッシの上下でラインが通るようになっています。図面では分かってやってはいるものの、
実際イメージ通りにラインが合うことが確認でき一安心です!
窓回りに雨水が回り込むことを回避するために、サイディングの実(さね)の切り落とし部分の長さも指定し、
窓サッシの下端、横、上部それぞれコーキング処理の目地幅の確認も行いました。
出来上がってしまえば、なんてことのないように思うことかもしれませんが、性能を損なうことなく、素材が活きる施工方法を2手間3手間多い工程を踏んで納めていきます。
同じ材料を使用して、指示をしないで職人さんにお任せする事も可能なのですが、こういう工程が、建てもの全体の雰囲気を左右していくのです。