春日部市S邸 インテリアコーディネート

レポート 2021.07.02

春日部市S邸 インテリアコーディネート

上棟が終わり、タイベック・シルバーの記事でご紹介した、春日部市S邸(注文住宅)。
先日のさいたま市O邸(注文住宅)に続き、こちらの物件におきましてもインテリアコーディネートのご依頼をいただきましたので、CGのイメージと共にご紹介していきます。

インテリアコーディネートの記事ですが、外観のデザインのお話を少しだけ。
外観は2種類の窯業系サイディング(kmew)と木製壁を採用しています。手前には素材の表情が個性的なSOLIDOを採用し、ポーチの奥には木質材を張り込んでいます。
建物の本体部分には先日T邸の外観でも紹介したフラットサイディングです。レイヤーごとに素材を変えていくことで、建物の奥行き感がより感じらるように構成して、
人の目線に近い場所や手に触れることのできる玄関のアプローチ周辺には質感の高い材料を採用しています。


今回のインテリアのテーマは、硬質で重量感のある質感を引き立てたインダストリアルなコーディネートです。
まずは、ダイニングチェアとしてお勧めしたのが、ジャン・プルーヴェ(Jean Prouve)のスタンダードチェア(Vitra)です。特徴的なスチールの足にプライウッドの座面と背板で構成された名作椅子です。
脚も座面も黒をセレクトして、空間の中に影を落とし込むように存在するイメージです。鉄のずっしりとした重さは、座った時に安定感を感じさせてくれます。

続いては、ダイニングテーブルに使用するペンダントライト。
建築が好きな方なら書籍で見たことがあるかもしれません。モダン建築の巨匠ル・コルビジェも愛用したとして知られる、Lampe Grasです。ベルナール・アルビン・グラ(BERNARD-ALBIN GRASS)というデザイナーの照明で、コルビジェが自らデザインせずに自分の作品にも多く採用したインダストリアルなデザインが特徴の照明です。今回はこの照明のペンダント型のライトを複数、Vの字型に並べて設置をする予定です。


テーブルは、鉄骨の建物にも使用するH鋼材を加工して長スパン飛ばしたTAGKENオリジナルテーブルです。塗装はせずに黒皮(酸化被膜)の表情をそのまま出します。
溶接の箇所もそのまま、塗装などの処理はせず、鉄の質感たっぷりのテーブル脚です。床材やテーブルの天板に黒い鉄に相性の良いウォールナット材を採用し、
空間としての重厚感を出すため天井にはラワン合板を張り込んでいます。

これらの提案は、お施主様にも大変気に入っていただきました。
椅子につきましては、全てスタンダードチェア椅子で行くか、2脚はスタンダードチェアにして、違うデザインの黒い椅子を2脚ずつ購入するか迷われておりました。
ペンダントライトについては輸入に時間がかかるため、先に注文を頂き、椅子は後日回答をもらうことになりました。

今回ご紹介した商品につきましては、輸入品のため、物によっては納品まで数カ月かかります。
CGにより、完成前に家具の種類や色味までシュミレーションできるため、完成時には全てそろった状態でお引き渡しが可能になります。
もちろんCGのイメージだけではなく、ショップの方で実際に手に取って座っていただいたり、カラーサンプルなどで確認してご納得いただいたうえでご購入を決めていただいています。

リビング空間は、家族の集まる空間として、足元に一段段差を付けて絨毯を引き込んでいます。ソファーは壁面に沿ってザックリと編まれた生地のオリジナルソファを製作予定しています。
開放性を持たせて二層の吹き抜け空間になっています。上部の窓はスチールで製作することも考えましたが、高い場所で結露しやすい窓を設置すのはリスクが高いため、住宅用の断熱サッシを小割に連窓することでスチール窓のような容姿の割り付けにさせていただきました。

現場も着々と進み、完成は年末を予定しています。また現場レポートで報告していきます。