光色の進化(Synca)

コラム 2022.03.18

光色の進化(Synca)

本日は照明のお話です。
事務所の打ち合わせテーブル。以前は「おしゃれ~」なペンダントライトを4灯ぶら下げ、暖色系で温かみがあり、とても雰囲気の良い空間だったのですが、
お客様との打ち合わせの際にサンプルの色味が全く違う色味に見えてしまうという問題がありました。
一日を通して考えると、素材は様々な色の光を受けるため、光色や演色性はとても重要になってきます。
打ち合わせテーブルの上で色温度や光色を変化させるため今回採用したのは遠藤照明の「Synca」という器具です。
器具の見た目は以前よりもぐっと落ちてしまいますが、CGのクオリティーと同じように、お客様とのイメージの共有を高めるために
本物の素材(マテリアル)を見るための環境づくりです。
下の写真の一文字に光っているのが照明器具です。

↓12000K(ケルビン)晴天 空の青い色が配色され、少し青白く感じます。主に外壁の色味の打ち合わせに使用します。

↓6000K(ケルビン)曇空 空の青が反映されていない、曇り空のイメージです。一番ニュートラルな色味で、こちらも外壁の打ち合わせに使用します。

↓2700K(ケルビン)電球色 名前のように昔のフィラメント電球の暖かな色味です。以前はこの色のみで打ち合わせをしていました。室内の夜のシーンをイメージしていただくのに使用します。

↓3500K(ケルビン)温白色 この色味はLEDになり登場した色温度です。電球色と蛍光灯色の間の色。最近ではこの色温度を室内照明のベースとして選ばれるお客様もいます。

↓5000K(ケルビン)昼白色 蛍光灯の色味です。素材の色味が一番自然に見えるため、キッチンや、洗面室で採用される方もいます。

↓夕景 お遊びで夕景のイメージ、外壁確認用。syncaは自然界の中にある色味の表現が可能です。LEDでよくあるビビットな色味はありません。

 

ここからは少し専門家向けの内容です。「色偏差」という機能が付いており、カメラで言う露出補正のように±の調整で緑味~赤味の補正が出来、見せたいものの鮮やかさを引き出すことが可能です。さらに意外と使えるのが、一つの現場で様々な照明器具メーカーを混在して採用することがあるかと思います。しかし、色温度を統一してもメーカーごとに多少違う色味をしています。そこでこの補正機能を使うことで色味を寄せることが出来るのです!細かなことですが日ごろから感じていたことなので素晴らしい機能です。

最後に実験。現在進行中の店舗計画で採用を予定しています。複数の照明を単色ではなく色を混ぜ合わせるように使用しようと思っています。自然界の空をイメージしても単色ではありません。晴天の日は太陽の周りは白く、180度反対は青さが増していきます。夕暮れも、日の沈む方は赤く焼けたような強い光ですが、青紫→濃紺に変化していきます。季節に合わせて春の色味や秋の色味も色を重ね合わせると面白い表情が作れそうです。

通常営業の時は演色性の良い色温度に設定して、閉店後のショールームで光の色を取り入れてみようと考えています。

上記の設定を、モバイル端末でも設定できますが、下の写真の右のリモコンのようにボタンを押すだけで切り替えることもできます。左の箱のようなものは何十本もある器具を制御するためのゲートウェイという機械です。タイマー設定も組むことが出来るため、開店時の色~昼の色~夜の色~閉店後の色と時間ごとにゆっくりとグラデーション的に変化していくプログラムも組むことも可能です。

この10年のLEDの進化には驚きました。演色性も90%を超えており、今までのRGBではなくペールトーンの配色も、使い方によっては面白くなりそうです!