地盤改良と土地の価値|桶川市H邸新築工事

レポート 2025.02.10

土地を購入する際、地面の下ってどうなっているのか?見た目には解りませんよね。

建物を建てる前に必ず行う作業として「地盤調査」というものが在ります。プランを確定して当該地で地盤に棒を刺しながら調査をしていきます。

計画初期では全体の計画予算を算出するために、地番調査会社が持っている近隣データ(当該地の近くで過去に地盤調査を行ったデータ)を基に概算見積もりを作成しますが、正確な金額ではありませんので価格の増減があることはご説明させていただいています。

打ち合わせを重ね、プランが確定したところで計画地の地盤調査の手配をしていきます。木造戸建て住宅ではスクリューウエイト貫入試験(旧スウェーデン式サウンディング試験)という地盤調査方法を行うのが一般的です。

左のような先のとがったドリルを垂直に突き刺し、その沈み方から地盤の硬軟や締まり具合を調査します。スムーズに沈んだ場合は地盤が弱く、沈みにくかった場合は固い地盤と判断します。この試験では地中の土の採取をすることはできません。弊社では出来る限り正確な地盤状況を把握するため、ハンドオーガー(土を採取する機械)を使用して土の含水比試験(土に含む水分量を計る)も行っています。

このような現地での調査を行い、地盤調査会社より細かなデータと共に考察が送られてきます。

スクリューウエイト貫入試験だけの結果よりもハンドオーガー+含水比試験も行うことで精度の高い調査結果が得られるため地盤改良を行わずに済むケースも多々あります。

しかしH邸では高精度の地盤調査を行いましたが、地盤補強の判定が出ている以上、改良工事をする必要があります。

調査結果より、今回はスクリュープレス工法(砕石パイル)が採用できることになりました。通常のミルクセメント杭や鋼管杭とは違い、砕石は自然石を使用しているため地中埋設物にはならない工法です。

投入された砕石は300~400mm毎に転圧し、地盤中の弱い部分に砕石を深く食い込ませることで支持力をさらに高めてくれるものになります。

スクリュープレス工法(砕石パイル)はどんな地盤状況下でも採用できるわけではありませんので地盤調査結果後に採用の可否をご説明させていただいております。

いよいよ現地での作業が始まりました。専用の重機には2本の棒状のものが付いています。1本は穴を掘るための物、1本は転圧していくものです。

先程の施工説明図通りに、層ごとに砕石を入れながら締め固めて行きます。

平屋でしたので少し広めの基礎面積のため、杭長2m計58本の杭施工は1日半で完了しました。

今回は今までご紹介していなかった地盤改良工事の流れをご紹介させていただきました。

H邸では自然砕石を用いた改良工法を採用できたため、もし将来的に家を建て替えたり土地を売却したりする際も、土地の評価は変わりません。もちろん今回採用した工法が使用できない場合もありますが、計画を進めるにあたり土地の価値を守る検討を十分にすることが大切だと考えています。

少し工程はスキップしますが、この後基礎工事も順調に進み先日上棟いたしました。

同じ画角での完成CGイメージはこんな感じです。これから内装工事が進み4月末完成を予定しています。